2・3歩大またで大荷物を横切り、ドアを開ける。
そして少しだけ開放感がある廊下に出る。
この隣にはきっと神楽はいるだろう。
そう思い、ノックをして中へ入った。
「入るぞ・・・・・・・・・ってあれ?」
きっと外でぷらぷらしているのだろうと感じた。
だけどそのすぐ後にまたしてもさきほどの感覚と同じような感覚を味わってしまったのだ。
あのなんともいえない違和感が。
何かが物足りないその正体が馬鹿な俺にもわかってしまった。
この家に人が1人たりともいないのだ。
いや、この家だけじゃない。この近所に人もいなければ何かの物音もしない。
普通、そんなことがありえるだろうか。
夕方になればいつも烏の鳴き声が聞こえ、近所の子どもたちがギャーギャー騒いでいる。
料理を作り始めるためにおばさんたちはそれぞれに別れをつげたりする声も聞こえてくるはずだ。
何かしらの音、声、そんなものを感じて当然なのに今となっては風の音さえ聞こえてきそうに静かだった。
「いない・・・・・・のか・・・・・・」
神楽の部屋はいつもきれいにしてある。
すごく大雑把な俺とは違い、神楽はまめな性格だ。
そんな性格は部屋を見れば一目瞭然であろう。
部屋にはこれ以上入る必要がないために後ろを向きながらドアを閉める。
この異変は何かがおかしい。
そんなのはいくらなんでも誰だってわかってしまうことだ。
これを解決するにはただひとつ。
それは、外に出て今ある現実を確認をすることだった。
とりあえず必要最低限のものは持とうと自分の部屋へ行く。
すると又先ほどと何も変わらない部屋があった。
荷物の中から財布と携帯だけをポケットの中へ入れる。
そして何かあったときのために持っていくもの、それは十字架だった。
なぜなら、幽霊がきたときにはこれで身を守れそうな気がしたから。
ただそれだけだった。
「よし。全部持った。カメラは・・・・・・まぁいいや。」
カメラを一度手に持ったものの、またもとの場所へ戻した。
自分の部屋を出ようと足を運ぶ。
廊下に出てすぐ近くにある階段を下りて玄関へと向かう。
靴を履き、鍵を開けてドアを開けようとした。
「・・・・・・あれ?」
家の鍵はこんなにも立て付けが悪かったかと思いながらドアを小刻みに押したり引いたりするが、びくともしない。
こんなことは生まれて初めだった。ドアに向かって体当たりしても決して開くことはなかった。
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- 2006/02/22(水) 00:42:41|
- Zero4「要」|
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